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2006.03.22

Info/情報)カラーネガフィルムの広いラチチュードを活かすスキャン方法

(English/Japanese) もともとは順光と逆光が仲良くしがちな魚眼レンズや広角レンズでの撮影で、広いラチチュードを活かして白飛びや黒潰れを避けようとカラーネガフィルムに回帰。

最近のちょっとしたフラットベッドスキャナのフィルムスキャン機能は、各色16bitで48bitカラーの情報が得られ、理論的にはデジカメのRAWファイルの各色12bitより階調たっぷりで。

但し、素直にスキャンすればよいポジフィルムと違い、カラーネガフィルムは階調が反転しているだけでなくフィルム自身に色が付いているため、タップリの階調を端から端までしっかりスキャンするにはコツが。

フラットベッドスキャナのドライバはこの点、フジならフジのネガのベース色を決め打ちして補正しているようです。また標準的なスキャン方法では白と黒をそこそこ飽和させてホワイトバランス調整を容易化し/ハッキリクッキリな画像にしています。

ココからは私の使っているCanon CanoScan 5200Fでの設定を元に説明。他社/他機種でも応用...できるといいなぁ。

試行錯誤の末、現在のトコロ...。「拡張モード」で、原稿の種類を「ポジフィルム」、カラーモードを「カラー(48ビット)」、出力解像度を「2400dpi」、出力サイズを「フリーサイズ」、自動色調整off、輪郭強調off、退色補正off、粒状感低減off、手動露光調整をプレビューのヒストグラムで赤がオーバーフローしない様に調整して。この場合は65%で。
スキャン結果はコレ:
03posi65redS
RGBの分布のヒストグラムはこんな感じ:
03posi65redHist
一番広い赤も明暗両端に少し余裕が。この状態にスキャンするため手動露光調整で65%(かなり暗め)で。その時のスキャナのドライバのプレビュー画像でのヒストグラムはこんな感じ:
03posi65redprevHist
各色16bitでスキャンしたデータなら一番補正量の大きい青でも補正後のデータが14〜15bitの階調を維持。

この画像の階調を反転し、フィルムのベースカラーの影響を補正。
結果の画像:
04posi65redInvS
一見かなり地味な画像ですが(このサイズでは分かりにくいですが)普通はハイライトで白飛びする明かりのガラスや暗部の微妙な階調を維持。
ヒストグラムでみても:
04posi65redInvHist
どの色も飽和しておらず充分な階調を維持。

補正方法は...。Photoshop 7では「メニュー>イメージ>色調補正>レベル補正...」でレッド/グリーン/ブルーの各色のヒストグラムのすぐ下の両端の三角を分布の両端に移動。またはソコの「オプション」で「・チャンネルごとのコントラストを強調」、「シャドウ」と「ハイライト」の各クリップを0%にして「自動補正」。

シャンデリアのガラスがわかるように明部をメインにレベル調整、トリミング:
a060322light03posi65Inv
明部の一番明るい部分が、剥がれたようになってますが、ある程度狭い領域で真っ黒に露光すると感光材が一分剥がれたりするようです(^^; コレを避けたかったら手焼きを依頼...になるのかなぁ..。

シャンデリア基部がわかるように暗部をメインにレベル調整、トリミング:
a060322parts03posi65InvS

参考のため一般的と思われるスキャン方法で...。
その1:「基本モード」で、原稿の種類を「ネガフィルム」、用途の選択を「印刷(300dpi)」、出力サイズを「フリーサイズ」で。
スキャン結果はコレ:
01negaOrgS

ヒストグラムはコレ:
01negaHist
たぶん普通の感覚だと露出アンダーの失敗(気味の)写真、ということでスキャン時にかなり明るく補正したくなる...かな?

その2:「拡張モード」で、原稿の種類を「ネガフィルム」、カラーモードを「カラー(48ビット)」、出力解像度を「2400dpi」、出力サイズを「フリーサイズ」、自動色調整off、輪郭強調off、退色補正off、粒状感低減off、手動露光調整なしで。
結果はコレ:
02negaEXs

ヒストグラムはコレ:
02negaEXHist

各色両側で飽和しており、ソコにあったはずの階調データは失われ。

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