info J/情報)長調/短調、ハニホヘト...
物理的に倍音に忠実な音で構成した音階が純正律で、濁りのない和音になりますが、移調すると楽譜上で同じ位置の音も微妙にかえる必要があります。身体で音程を作る弦楽器、管楽器は余り問題ありませんが、鍵盤楽器やハープなど音程が固定されている楽器では表現できません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/純正律
純正律音階
純正律ドミソ和音
鍵盤楽器は(1オクターブを均一な12の半音階で構成した)平均律でチューニングされています(実際にはさらに低音と高音で微妙にずらしたりしていますが)。これだと(あたりまえですが)どの調でも楽譜上で同じ位置にある音は同じ音になりますし、長谷川さんがご指摘のように♭か♯どちらかだけを各音符の前に付ける事で全ての音を表現する事もできます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/平均律
平均律音階
平均律ドミソ和音
ドミソ和音:純正律 vs. 平均律
上段の純正律の和音では周波数が整数比のためうなりは生じていませんが、下段の平均律の和音では周波数が整数比でないためうなりが生じています。
現代の弦楽合奏、管楽合奏の場合は平均律を基準にしながらも、特にキレイな和音が必要な個所では奏者も余り意識してないでしょうけれど純正律の和音になっている事が多いです。
あと、シェーンベルク
http://ja.wikipedia.org/wiki/アルノルト・シェーンベルク
など以降の現代音楽ではオクターブ中の12の音を公平に?扱う音楽もあります。
...で本題ですが、
純正調または平均律の場合は長調/短調と、どの音から始まるかで、色々別れる訳ですが...
無調の音楽以前の西洋音楽は基本的に平均律のどれかの調でドレミファソラシド(長調)またはラシドレミファソラ(短調)の8音だけを使うと物理的に和音もメロディーもキレイに整うという事から出発しています。
で、適当な区切りで転調
http://ja.wikipedia.org/wiki/転調
を入れる事で変化に富んだ展開を作りやすくなります。ここで平均律の残りの4音が登場します。
転調した場合に楽譜の行の先頭に♭や♯をつけて途中の音符に付ける必要が無い様にしているのは、その方が作曲時に沢山♯♭を入れるより書きやすく、(特に音程を自身の身体を使って決める必要がある、管楽器、弦楽器奏者にとって)どの調の音階のドコに相当するかが直感的に読みやすいため、だと思います。
では曲の主な調性がハ長調とイ短調だけではいかんのか、と言う所ですが...
主に2つの理由があると思います。
その1.音域の狭い声楽、管楽器、弦楽器に各々都合の良い音域を割り当てるため
弦楽器(弦楽4部:第一バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ+コントラバス)や管楽器など、ピアノやオルガンを除く大部分の楽器群はだいたい3部か4部構成で全音域をカバーします。
そうすると、メロディーは各楽器の演奏しやすい領域を主に使い、あるいはわざとハズして変化を付けることになり、曲全体を通しての調と移調の構成によって適切な調性がある程度決まってきます。
その2.絶対音感との関係で?調によって受けるイメージが変る
人間の耳は内耳の構造により
http://ja.wikipedia.org/wiki/聴覚
絶対音感的な入力を得るので、開始位置が異なる各調は、違う印象を与える...らしいです(^^;
以上 (2006.05.24 初稿、2006.05.26 追記/修正)
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