info)円周魚眼vs対角線魚眼 各々の魅力
円周魚眼レンズ(or 全周魚眼レンズ = Circular Fisheye Lens)と対角線魚眼レンズ(Diagonal Fisheye Lens or Full-frame Fisheye Lens)の各々の魅力、利点、欠点などを、両方のレンズで同じ被写体(被写空間?)を撮影することで評価してみます。
1組目は低い建物に囲まれた駐車場の出入口。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼の方は180度の画角を生かしてギリギリまで寄りました。対角線魚眼の方でも、建物が続いている様子を見せたくて対角線の約180度を利用。少し後ろに下がったのですが、左側は少し物足りない感じになってしまいました。もう少し下がることは可能でしたが、魚眼らしい(?)湾曲はもっと目立たなくなります。逆に言うと、対角線魚眼で広い範囲を撮影すると比較的「普通」の写真に。
2組目は道路と高低差のある敷地への裏門。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼の方はやはりギリギリまで寄って奥の階段も少し写っていますが、左右にのびる建物の様子もわかります。対角線魚眼の方では左右はあきらめて門の形状と照明灯にしぼりました。階段もかろうじて写っていますが、もう半歩右に寄るべきだったかもしれません。そうすると門扉がわかりにくくなりそうですが…それを嫌って前進すると上下が入りきらなくなるので…。対角線魚眼では垂直/水平の画角が意外と狭いので、その辺の制約(?)を生かした構図を考えるのが面白いところです。
3組目は浅い池に建つモニュメント。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼の方では左右の盛り上がりで魚眼らしさを多少強調していますが、水平に構えたら、単に丸く切り取った風景写真、という感じになります。対角線魚眼でも意識はしたのですが、結果としては地面に起伏があるのか魚眼の湾曲なのかパッと見てわからない…かも…。
4組目は庭園(?巨大植え込み?)への階段。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
これは対角線魚眼で切り取るのにちょうど良いと感じた被写体(被写空間)です。一見あまり魚眼らしくないかもですが、足下は真下を上から見る形になっていますし、木立の向こうが水平、ということで上半分は見上げる感じ、とジワッと超広角を丸く切り取っているイメージが染込んでくる様な。
対する円周魚眼は、似た様な位置から撮影したのですが、魚眼らしさは多少増しているものの、散漫な感じ。もっと思い切って階段の脇の石などを画面の中心近くに持ってくると、たぶんまた違った印象になりますね。
5組目は同じく庭園(?巨大植え込み?)と鉄のフタ。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
これも対角線魚眼で周囲の自動車と木立、フタの質感と低い太陽からの木漏れ日の対比が奇麗だと思って撮影。円周魚眼ではぐぐっとフタに寄って強調してみました。角度によって鉄のフタの質感が全然違ってますね
…。
6組目は伐採された木の根元と周囲の対比。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
対角線魚眼は木の根元を対角線の隅に持ってきて斜めの構図にしたことで、制約の中でうまく広がりを表現できた…かな?円周魚眼でも少しセンターから外して構図にアクセントを付けています。
7組目は陸橋の排水溝から出ている木の芽。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼では陸橋の様子もある程度わかって面白いかと。対角線魚眼では、ちょっとわかりにくいですね。かといって引いてしまうと面白みがなさそうなので、思い切って?左右どちらかに向けた方が良さそうです。両方とも開放f2.8のf4での撮影ですが、対角線魚眼では、それ程寄ったつもりは無かったのに遠景がボケてますね…。
8組目は陸橋から見た道路。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼では直近の陸橋手すりはあえてハッキリ写さず、左右の階段で陸橋とわかる感じで。真下付近に自動車が無いのがチョット間抜けですね。対角線魚眼では逆に直近の手すりを少し構図に入れました。が、これもももっと真下付近に自動車がくるタイミングを外してしまって…。
9組目は陸橋への階段。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
この様な空間を切り取る感じが魚眼の真骨頂だと思います。円周魚眼の場合はカメラの空間的な位置のみ注意すれば大丈夫。シングルモルトのウィスキーの宣伝コピーではないですが、「何も足さない。何も引かない。」。対角線魚眼の場合はフレームによる制約があるので、ここでは斜めにして地上からの階段と陸橋の下部を残す選択で。もちろん制約を生かして色々な構図が考えられます。
10組目は陸橋の階段を上りきったあたり。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
同じく空間を切り取る感じの構図ですが、このケースではほぼ同じ構図で円周魚眼、対角線魚眼ともいい雰囲気だと思います。
11組目は陸橋の上から階段を見下ろして。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
見下ろしてといっても円周魚眼の場合は、ほぼ水平に構えて陸橋の端の空間全体を高い位置で切り取っている感じです。左から前方の木立と右の建物の対比、そして頭上の電線が良いアクセントになっています。対角線魚眼は手の長さいっぱいの頭上から少し下向きに構えて撮影。フレームで切っている分、階段と木立の対比がより緊密な感じ。
12組目は建物の外部の回廊的な空間。
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円周魚眼ピクセル等倍 vs 対角線魚眼ピクセル等倍
円周魚眼ではやはりカメラの位置のみ気をつけて正面で切り取り。天井や床が単調だと難ですが、ここは大丈夫、かな。対角線魚眼はやや下向きに構えて、天井を捨てていますが情報量としては遜色無い感じですね。
以上
参考)
ニコン対角線魚眼レンズ AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED 購入&レビュー
対角線魚眼レンズも欲しい…
今更な? Sigma 4.5mm f2.8 circular fisheye review/レビュー(工事中
(2013.08.20 初稿、2013.08.22 ピクセル等倍画像、やっとサーバーへのアップロード完了)
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